足の裏に行く神経は、足首の内くるぶしの下を通って、足の裏から足の指にむかいます。この内くるぶしの部分には、骨と膜でできた隙間のような狭いトンネルがあり(足根管)、この中を後脛骨神経と動脈・静脈が一緒に走っています。この部位では神経がつぶされやすく、この圧迫により症状が出てきたものを足根管症候群といいます。
<超入門。手術で治すしびれと痛み。井須豊彦、金景成 編著 メディカ出版>の図を一部改変
足の裏に行く神経は、足首の内くるぶしの下を通って、足の裏から足の指にむかいます。この内くるぶしの部分には、骨と膜でできた隙間のような狭いトンネルがあり(足根管)、この中を後脛骨神経と動脈・静脈が一緒に走っています。この部位では神経がつぶされやすく、この圧迫により症状が出てきたものを足根管症候群といいます。
<超入門。手術で治すしびれと痛み。井須豊彦、金景成 編著 メディカ出版>の図を一部改変
かかと以外の足の裏から足の指にかけて、しびれたり痛くなったりします。足の甲や足首より上の方にしびれがでることはありません。足をつくと、足の裏に物が張りついているような感じや、砂利の上を歩いている感じなどを感じることがあります(異物付着感)。また、約半数に冷えを伴うことがあります。腰の病気や糖尿病による足のしびれに隠れていることもあります。
足裏の痺れの範囲が特徴的です(踵には無かったり、あっても軽く、足裏前方に強い)。足根管部を打腱器で叩いたり、指で押したりすることで症状を誘発するチネル様徴候が有用です。エコーやMRIにより、足根管内に発生した良性腫瘍や腫瘤の有無やを、神経が圧迫されている状態を確認できる場合があります。神経に電気を流す検査(神経伝導検査や筋電図検査)を行い、足根管部で後脛骨神経の電気の流れが滞っているのを確認できることがあります。しかし、画像や電気を流す検査では異常を検知できないことも少なくありません。
神経を圧迫するような原因がはっきりしている場合は、原因を除去し、ビタミン剤などの薬物療法で経過をみます。症状が強い場合には、手術を行うこともあります。手術は足根管の表面を覆う屈筋支帯を切離し、動脈と神経を剥離する神経剥離術を行います。腫瘍や腫瘤が原因となっている場合には切除します。単純な神経剥離術であれば、局所麻酔で、内くるぶしの部分を3cm程切り、1時間程で終わることもあります。
<超入門。手術で治すしびれと痛み。井須豊彦、金景成 編著 メディカ出版>の図を一部改変
内くるぶしの足の裏にいく神経がつぶされているところを押したり叩くことで、しびれが起こることがあります。糖尿病による足裏のしびれに合併していることがあります。比較的に負担の少ない手術でしびれが軽くなることがあるので、気になる方は診療している病院を探して受診することをお勧めします。
【執筆担当】 | 日本医科大学 脳神経外科 森本大二郎 日本医科大学千葉北総病院 脳神経外科 金景成 |