上殿皮神経は腰骨の神経に由来し、殿部頭側の感覚を支配します。上殿皮神経が、ズボンのベルト付近で腸骨を乗り越えるあたりで、筋膜などによりつぶされると腰痛の原因になります。一方、中殿皮神経は骨盤の神経に由来し、殿部内側の感覚を支配します。中殿皮神経が仙骨と腸骨の間の関節(仙腸関節)の背面で長後仙腸靭帯の深部を通過する部位でつぶされると、殿部痛の原因になります。
これらの殿皮神経障害は、腰痛の原因として近年注目されている病気ですが、診断、治療している病院が少ないのが欠点です。
<脳神経外科速報 28(3) 2018 年 (メディカ出版)>の図を一部改変