骨粗鬆症とは、さまざまな理由で骨が脆くなり、骨折しやすくなってしまう状態のことです。骨の新陳代謝は、古い骨を壊してカルシウムなどに分解する骨吸収と、新しい骨を作る骨形成とで成り立っていますが、加齢などによってこのバランスが崩れ、骨形成よりも骨吸収の方が優勢になると骨粗鬆症になります。加齢以外にも閉経やステロイド剤の長期使用、過度なダイエットなども原因となります。骨粗鬆症で起こりやすい骨折には、脊椎圧迫骨折や橈骨遠位骨折、大腿骨頚部骨折などがあります。
骨粗鬆症の検査として代表的なものに、画像検査による骨密度測定があります。レントゲン撮影(Dual Energy X-ray Absorptiometry法;DEXA法)などで骨の密度を測定し、若年成人の平均値(Young Adult Mean : YAM値)と比較します。腰椎や大腿骨頚部の骨で計測し、一般的にはYAMの70%未満の場合に骨粗鬆症と診断しますが、70%以上であっても骨粗鬆症と診断されることもあるので、診察医にご相談ください。
骨粗鬆症の治療薬としては、骨吸収を抑える効果で骨破壊を抑制する薬として、ビスホスホネート製剤やデノスマブ製剤、エストロゲン製剤(女性ホルモン)などがあります。骨の形成を促進して骨の充足を行う薬としては、テリパラチド(副甲状腺ホルモン)などがあり、骨の材料を補充する薬としてカルシウム製剤や活性型ビタミンD製剤があります。その他、食事療法や運動療法も重要となります。詳細は専門医にご相談ください。
【執筆担当】 | 東京慈恵会医科大学 脳神経外科 川村大地 平和病院 横浜脊椎脊髄病センター 脳神経外科 野中康臣 藤沢湘南台病院/横浜市立大学 脳神経外科 田中貴大 順天堂大学附属順天堂医院 脳神経外科 原毅 |