手の小指側へいく尺骨神経は、肘の内側で肘部管というトンネルを通過します。このトンネルは、靭帯や結合組織、肘関節で囲まれているため尺骨神経は傷みやすく、傷むと小指側にしびれが出たり、手の細かい動きが上手にできなくなります(肘部管症候群)。
この疾患は、末梢神経障害の中で手根管症候群に次いで2番目に多く、稀な疾患ではありません。最近は肘部尺骨(ちゅうぶしゃっこつ)神経障害と呼ぶこともあります(だいたい同じ意味です)。肘に負担のかかる仕事に従事している男性に多い傾向があります。
<超入門。手術で治すしびれと痛み。井須豊彦、金景成 編著 メディカ出版>の図を一部改変