坐骨神経は、骨盤からでて足へ向かいますが、その際、骨盤の出口のところで、梨状筋という筋肉とのトンネルを通ります。この筋肉は通常柔らかいのですが、負担がかかって硬くなってしまうと、おしりに痛みを起こしたり、側を走る坐骨神経をつぶしてしまいしびれがでてきます。このような病気を梨状筋症候群といいます。日常よくみかける病気ですが、診断、治療している病院が少ないのが欠点です。
おしりの外側あたりに痛みがあり、太ももの後面にかけてしびれがでることもあります。長く座っていると症状は強くなり、歩くと楽になることもあります。草むしりなどの中腰やゴルフなどのスポーツ、長時間の運転など、梨状筋に負担のかかるようなことで起こりやすいのですが、MRIやレントゲンなどの検査ではみつけることができません。
梨状筋ストレッチが有効です。症状が強い場合には、梨状筋ブロック(皮膚の上から梨状筋へ注射をする治療)が効果的ですが、ブロックにより数時間、足に力が入りにくくなり、歩けなくなることがあります。このような治療で効果が乏しい場合には、手術を行うこともありますが、手術に至るのはそれ程多くないのが実情です。