頸椎手術の大部分は全身麻酔下に行われますので、手術中に痛みを感じることはありません。一方で、症状や病名が同じであっても、年齢、生活や社会的背景(職業など)によって最適な手術方法は異なるので、治療に対する希望を主治医に伝え、よく相談して手術方法を決定してください。
頸椎の手術は前方手術と後方手術に大別されます。
前方手術は、首の前を切開して頸椎に前方から到達します。気管や頸動脈など重要な臓器が存在しているためデリケートな手術となりますが、首の筋肉を傷つけることなく手術が可能なため、術後の痛みが少ないことも特徴です。頸椎椎間板ヘルニアや頸椎症性神経根症などに実施されることが多いです。
後方手術は、首の後ろを切開して頸椎に後方から到達します。頸椎の後方には大きな血管や気管などのデリケートな臓器がないため危険は少ないです。一方で、頸椎の後方には比較的に大きな筋肉が多いため、術後に頚部の筋肉痛が続くことがあります。後方手術は、多部位の神経圧迫(脊髄や神経根)をまとめて除圧できますので、頸椎症性脊髄症や頸椎後縦靭帯骨化症などに実施されることが多いです。
【執筆担当】 |
信愛会脊椎脊髄センター交野病院 上田茂雄 |